秋の味覚マツタケがない! 凶作で高騰、収穫「9割減」

写真・図版管理する山でマツタケをみつける藤原さん。「いつもは列になって生えるんだが、今年はあってもぽつぽつとだけ」=12日、長野県伊那市、杉浦幹治撮影

東北は長雨、西日本は猛暑となった今夏。海産物や野菜への影響が心配される中、秋の味覚マツタケが各地で凶作だ。ただでさえ高級品なのが、さらに手の届かないものになっている。

日の光が適度に差し込み、湿り気もある。長野県伊那市でマツタケ採りを専業にしている藤原儀兵衛さん(79)が管理する山にはアカマツが一面に並ぶ。だが足もとを見ても、肝心のマツタケが今年はほとんどない。

例年はこの時期、山に入ると1日でかごが4、5回はいっぱいになるというが、この日は売り物になるのをやっと5本見つけただけ。「虫に食われていたり、カサをナメクジになめられて腐っていたり。マツタケに関わって60年になるが、こんなにひどいのは秋に異常な高温となった1992年以来」とため息をつく。長野県はマツタケの生産量が国内トップの6割を占めるが、県内の同業者に聞いても同じ状況という。

全国2番目の生産量を誇る岩手県山田町でマツタケを採る芳賀栄三さん(72)も「今年はいつもの1割もとれない」。町で開かれる競りは、例年だと30~40人が計100~150キロ、持ち寄る。だが今年はその回数も減り、あっても来たのは5人で各5キロほど、という状況だった。

ASAHI.COM

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