「娘さんが発熱、お迎えを」 じつは…会社の訓練電話
7月中旬、都内の取引先に向かっていたビール大手、キリンの人事総務部主幹、望月昭良さん(53)の携帯電話に見知らぬ番号から着信があった。打ち合わせを控えた午前10時前のことだった。
急いで通話ボタンを押すと、聞き慣れぬ声で「保育園です。娘さんが発熱したのでお迎えをお願いします」。仕事で頭がいっぱいだった望月さんは思わず強い口調で言い返した。「ええっ、今からですか?」。
小さい子供がいる共働きの夫婦らにとっては珍しくない話だが、望月さんの3人の子供はもう手のかからない年齢になっている。
実はこれ、人事総務部の6人が取り組んだ1カ月限定の子育てシミュレーションのひとこま。呼び出しを装った電話は作り話だ。1カ月の期間中に予告なしで1回かけるよう、グループ会社の人事担当者にあらかじめ頼んでおいた。
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