奥原希望、リオの雪辱果たす 世界選手権シングルスV
(27日、バドミントン世界選手権)
切望していた対戦が、最高峰の舞台で実現した。
「たぶん、多くの人がシンドゥ・プサルラ選手との戦いを楽しみにしていると思うし、私も世界選手権のセンターコートで、五輪の借りを返せたら良いと思う」
前日の準決勝を勝った後、奥原はそう言った。
リオ五輪で奥原は山口茜を破った後の準決勝でプサルラにあっけなく敗れた。負けたことも悔しいが、日本人対決を制した次の試合でのふがいないストレート負けという内容に納得がいかず、引きずっていた。
1年ぶりの対決。156センチ対179センチ。身長で23センチ低い奥原はリオ五輪で高い打点からの強打を浴びた。左右に振られ、深い返球で逃げられず、浅く甘い球が相手の餌食になった。対策を練ってきたこの日、見事にリベンジを果たした。
ハンディも乗り越えた。準々決勝、準決勝で奥原は計2時間46分、コートを走り回った。プサルラは1時間27分。連戦の疲れにも打ち勝つスタミナがあった。
リオ後に右肩を故障し、肩の痛みに対する恐怖感が消えたのは、今年4月。今大会の目標は「自分の今の立ち位置を把握して、東京五輪への課題を見つけたい」だった。
世界ジュニア女王、史上最年少の16歳での全日本女王、リオ五輪銅メダル……。22歳は挫折と試練を乗り越え、日本勢のシングルスでは男女を通じて初となる世界一に駆け上がった。(稲垣康介)
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