裸足のまま走ったおばあへ 自作の詩、高3が朗読

写真・図版「平和の詩」を朗読する上原愛音さん=23日午後0時32分、沖縄県糸満市、日吉健吾撮影

23日の沖縄全戦没者追悼式では沖縄県立宮古高校3年の上原愛音(ねね)さん(17)が、自作の詩「誓い~私達のおばあに寄せて」を朗読した。県平和祈念資料館が県内の小・中・高校、特別支援学校などから募った「平和の詩」1260点の中から選ばれた。

〈爆音とともに/この大空が淀んだあの日。/おばあは/昨日まで隠れんぼをしていたウージの中を/友と歩いた砂利道を/裸足のまま走った。/三線の音色を乗せていた島風に/鉄の臭いが混じったあの日。/おじいはその風に/仲間の叫びを聞いた。/昨日まで温かかったはずの冷たい手を握り/生きたいと泣く/赤子の声を抑えつけたあの日。/そんなあの日の記憶が/熱い血潮の中に今も確かにある。/決して薄れさせてはいけない記憶が/私の中に/私達の中に/確かに刻まれている。〉

自分の祖父や祖母は、戦争を体験していない。ただ、保育園児のころから体験者に話を聞き、平和学習を受けてきた。「裸足のまま走った」は、小学生のときに語り部から聞いた話。これまでに学んだ沖縄戦の当事者を「おじい」「おばあ」と表現して描いた。

この詩を書いた日も、授業で沖縄戦の史料映像を見た。授業や吹奏楽の部活動のあいだに、ことばやイメージが浮かんだ。家で深夜の2時までかけて一気に書き上げた。

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