「金」候補筆頭の高木美帆、「自分だけダメ」からの成長

12日のスピードスケート女子1500メートルに、3000メートルで5位だった高木美帆日体大助手)が再び登場する。前走と違うのは金メダル候補筆頭、ということだ。今季ワールドカップ(W杯)は4戦4勝。ポイントランクでトップに立つ23歳が得意種目に臨む。

3秒23。高木美が米国の高速リンクのレースで、この2シーズンで縮めたタイムだ。2015年11月のW杯ソルトレーク大会。高木美は1分54秒72で押切美沙紀(富士急)、菊池彩花(富士急)に続く日本人3番目の9位に終わった。「自分だけダメだった」

このシーズンから、ナショナルチームでオランダ人のデビット・コーチが中長距離選手の強化を担当。スケート大国からやってきた指導者は高木美の不安を受け止めた。

例えばレース前。高木美は展開をコーチと共有する。「1周目のコーナーの後半からスピードに乗る。ストレートは力み過ぎず。そして終盤に仕掛ける」。デビット・コーチは「そうだ。100%だ」。時には注意点も伝える。翌シーズンには世界一のオールラウンダーを決める世界選手権で3位。結果が出始め、トレーニングにもさらに熱が入った。

今季ソルトレーク大会で1分51秒49。2年で3秒以上縮め、世界記録に0秒64と迫った。「五輪でもイメージをしっかり出せていければいい」。10年バンクーバー五輪金メダリストのイレイン・ブストや今季W杯ポイントランク2位のマリット・レーンストラら強豪がひしめくが、自らの滑りができれば、頂点は見えてくる。

日本勢は他に5位に入賞した10年バンクーバー五輪以来の出場となる小平奈緒(相沢病院)、菊池彩花が出場する。小平のメインはあくまで14日の1000メートルと18日の500メートル。「1500メートルはレース経験が少ないので、よくても悪くてもいい経験になる」。1000メートルの世界記録保持者の滑りにも注目だ。(榊原一生)

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