突然、娘が全身不随に 母「前へ進む」、一緒に髪を寄付

写真・図版自宅で療養する花恋さん。元気なころに好きだったピンク色が部屋を彩る。目が開いたままのため眼球が乾かないようサングラスをかけている=沖縄県南風原町

長さ32センチの二つの髪の束は、娘の成長の証し。病気やけがで髪をなくした子どもたちのために使ってほしい。両親はそう考え、伸びた髪を切った。娘は13歳。全身不随になって6年近く。「今も現実を受け入れるのは苦しい。でも前に進まないと」

ピンク色の車いすが美容室のドアをくぐった。座るのは沖縄県南風原(はえばる)町の元花恋(もとかれん)さん。二つに結った髪の片方を母久美子さん(40)、もう片方を父旨成(むねなり)さん(42)が切った。

2011年11月。熱を出し、ソファで横になっていた花恋さんは、突然けいれんし、口から泡を吹いた。小学1年、7歳のときだ。

「意識が戻る可能性は低い」。搬送先の病院で、医師から告げられた。診断書には《マイコプラズマ脳症の疑い》とあった。自己免疫が過剰に反応して脳がはれ、脳幹を圧迫したという。じっと前を見つめているが見えず、耳も聞こえていないと診断された。食べたり話したりはもちろん、自力で呼吸もできない。

ASAHI.COM

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