駅のホームで強制性交 社会は痴漢と向き合ってきたか

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大阪メトロ御堂筋線中津駅のホームの壁に貼られたメモ。事件への悲しみや社会への憤りがつづられていた=2020年2月初旬、読者提供

1年前、大阪メトロ御堂筋線中津駅(大阪市北区)のホームで、女性への強制性交事件が起きた。電車内の痴漢行為がエスカレートした犯行とされる。1日に120万人が利用するこの路線では約30年前、痴漢を注意した女性が逆恨みされてレイプされる通称「御堂筋事件」があり、女性たちが対策強化を求める声を上げ続けていた。痴漢という犯罪に日本社会は真剣に向き合ってきたのだろうか。

 事件は今年1月末、大阪府警が公表して明らかになった。4月の一審・大阪地裁判決などによると、長谷川仁被告(42)は昨年6月23日午後3時ごろ、面識のない女性(当時18)に対し、電車内で背後から痴漢行為に及び、中津駅で降車後にホーム上で体を押さえつけて口腔(こうくう)性交を強いたとされる。判決では、ほかにも昨年5~7月、大阪市内の電車内などで当時17~22歳の女性4人に強制わいせつや痴漢行為を繰り返したと認定し、強制性交罪などで懲役8年(求刑同9年)を言い渡した。被告は判決を不服として控訴した。

悲しみ、憤りつづったメモ、一晩ではがされた

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