ランドセル・靴…残る震災の爪痕 双葉南小学校の今は

写真・図版東日本大震災発生当時のままの双葉南小学校=2日、福島県双葉町、葛谷晋吾撮影

 投げ出すように積み上げられたランドセルと、げた箱に残されたままの靴が、昇降口に残る。地震直後の混乱と持ち主が戻れない異常さを今に伝えている。

福島第一原発から北西約3キロにある福島県双葉町の双葉南小学校に、町の許可を得て入った。子どもたちは大きな揺れの後、何も持たずに上履きのまま校舎外に避難し、原発事故により県内外に散り散りになった。学校はいわき市内に移り、児童数は192人から8人に減った。町は大半が帰還困難区域のままだ。

教室の床には机から落ち、ふたの開いたランドセルから飛び出したノートや筆記用具が散らばっていた。廊下には歴代校長の写真が額から外れ、散乱していた。町はこのままの姿を残そうと、VR(仮想現実)映像に記録する作業を進めている。その後、散乱しているものは少しずつ片付けていくという。(葛谷晋吾)

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