とばり開き陛下が…平成と違う正殿の儀「神秘化」懸念も

 この間、陛下は玉座の「高御座(たかみくら)」に立ち、主権者の国民を代表する首相らは約1・3メートル低い松の間の床から陛下を仰ぎ見た。

 儀式は、憲法の定める天皇の国事行為として行われた。ところが高御座やその中に安置された剣と璽(じ)(まが玉)は、天照大神(あまてらすおおみかみ)の命を受け、孫のニニギノミコトが日向国(ひゅうがのくに)に降り立ったという「天孫降臨」神話に根ざすとされる。政府は現行憲法下で初の代替わりとなった平成の前回、高御座を「皇位と密接に結びついた古式ゆかしい調度品」と位置づけるなどして、政教分離に反しないと整理した。

 当時の海部俊樹首相も憲法との整合性にこだわった。宮内庁は1928年の昭和天皇の時の例にならい、皇族と同じ束帯を着て中庭(ちゅうてい)で控えるよう求めたが、海部氏は拒んだ。海部氏は「各国の大統領らが臨席する中、日本が戦前と違う国民主権民主主義国家であることを示そうと努力した」と回顧している。

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