新宿駅や三鷹駅が大混雑 台風の爪痕、通勤時間帯を直撃

写真・図版台風24号の影響で在来線がストップし、JR新宿駅構内は大勢の通勤客らで身動きの取れない状態となった=2018年10月1日午前9時14分、東京都新宿区、松本俊撮影

9月30日夜から1日朝にかけて東日本を縦断した台風24号は、各地に爪痕を残した。首都圏では強風による倒木などの影響で、通勤時間帯に運休する鉄道が相次ぎ、1日朝は人であふれかえる駅もあった。

JR新宿駅では、主要路線で大幅に電車が遅れ、ホームや駅構内は利用客であふれた。山手線のホームは人で埋まり、電車が着いても階段を下りられず、身動きできない状態に。代々木駅まで行く予定だった30代の男性会社員は「取引先と約束があったが、ホームに行ける状態じゃない。電車はあきらめました」と疲れた様子で話した。

混雑のため入場規制されたJR三鷹駅も駅前広場まで人があふれ、体調を崩し救急車で運ばれる人も出た。東京・有楽町の不動産会社に勤める岩本匡史さん(47)は「京王線が止まったためバスで来たが、この状態で驚いた。今日は月初め週初めで打ち合わせもあり、なんとか会社にたどり着きたいが、いつになったら動くのか」と嘆いた。

交通の乱れを警戒し、1日に予定していた内定式の中止・延期を決めた企業が相次いだ。百貨店の「大丸」「松坂屋」を営むJフロントリテイリングは「内定者が移動途中で身動きが取れなくなることは避けたい」とし、東京都内のホテルでの開催を取りやめた。日本生命保険も中止した。

東京と大阪で1~3日に開催予定だったパナソニックは、大阪市で1日に開く事務系内定者の式を延期した。多くの企業は台風が迫る9月28日の時点で判断した。三井住友海上火災保険は全国7地区中の4地区で延期した。東京で参加する予定だった学生は「自然災害への対応の早さを実感した」と話した。

東名高速は30日夜から、台風による倒木や路上に散乱した枝や葉の影響で、上下線とも御殿場インターチェンジ(IC)―音羽蒲郡IC間が通行止めに。新東名高速も上下線が御殿場ジャンクション―岡崎東IC間などで通行止めになった。

川崎市川崎区扇島のJFEスチールの護岸には1日未明、ベリーズ船籍の貨物船マリーナ(1920トン)が打ち寄せられた。乗組員12人は自力で護岸に飛び移り、けがはなかった。横浜海上保安部によると、同船は大黒埠頭(ふとう)(横浜市鶴見区)周辺でいかりを下ろしていたが、強風で流されたという。

東京電力によると、倒木などで配電線が切れ、午前10時現在で約37万4300軒が停電しているという。ピークの午前4時5分には約56万5200軒が停電しており、徐々に解消に向かっているものの、完全復旧のめどは立っていないという。「原因は確認中だが、配電線のトラブルとみられる」(広報)という。

ASAHI.COM

 

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